【実施報告】2020年度 教師国内研修 第1回研修
2020.09.09
今年度JICA横浜では、オンラインを中心とした教師国内研修を実施することといたしました。本研修では「多文化共生~困難を豊かさに変えるプロセス~」をテーマとして、日本に暮らす日系人や外国人、NPOやNGOの皆さんとの交流、フィールドワークを通して、多文化共生や移民への理解を深め、研修での経験をいかしたワークショップ(参加型学習教材)の作成を目指します。
今回10名の先生方(小学校4名、中学校1名、高校5名)が合格し、これからの約7か月間共に研修を実施していきます。
8月2日(日)の午前中に開催された開発教育/国際理解教育教員セミナー(基礎編)に参加したのち、午後に第1回研修を行い、参加者がオンライン上で集まりました。
研修では、まずチームビルディングを目的に、自己紹介やチームのゴール、そしてチームとしてどのように研修を進めるか、について共有する時間となりました。
その中で、研修に参加するにあたり大きく2つの心構えを確認しました。
1つは疑問・不思議に思った「モヤモヤ」を大切にし、それをゴールとする教材づくりへ活かしていってほしい、ということです。もう1つは参加者10名とスタッフ全員がチームとして、一人では気がつかないことを互いに気づかせ合い化学反応を起こすようなチームを目指していく、ということです。
教師国内研修を通してこの2つの心構えを大切にし、実りある研修にしていこうと、共通認識が生まれました。
続いて、参加者が学校などの身近で感じる困難と、その困難がどのように豊かさにつながっていくと良いかといったストーリーを共有しました。参加者からは、例えばこのような話がありました。
「クラスにきた留学生が日本語を話せず、クラスメイトとうまくコミュニケーションが取れず孤立しそうになっている、という実際に身近で起こっている困難があります。それに対して、クラス内で役割を決めて学校案内をするバディープログラムや留学生による出身国紹介、留学で大変なことを発表してもらいました。そういった交流を通して、お互いの文化や留学することの大変さを共有し、留学生・クラスメイト共にお互いを理解し、成長することができました」といった困難を乗り越えていくストーリーが、それぞれの先生から共有されました。
また、参加者からは今後の研修の中で学びたいこととして、「地域の方や第三者と学校とのかかわり方」「多文化共生への取り組みの中で、小さな取り組みの積み重ねを、どう大きな変化へとつなげていくか」「周囲の方々を納得させるためのしかけやアイデア」「支援者が疲弊せず活動を持続している秘訣」といったことが語られました。
半日のオンライン研修を終え、ふりかえりでは、「みんなの意見から気づかされることが多かった」「自由な発言ができて安心」など、参加者の皆さんが仲間として今後ともに研修へ取り組んでいくという気持ちを持っていただけたようでした。
次回、第2回研修は、SDGsについて講座やワークショップを通して学びます。
オンライン上での第1回研修
教師国内研修は、これまでJICA横浜にて実施していた、教師海外研修の代替研修として本年度新たに実施されることとなった研修です。国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、web交流、インタビュー、フィールドワーク等を通して、日本人移民や日系人のことを知り、日本に暮らす日系人や外国人の皆さんの現状・課題を学び、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的として実施しています。
2020年度JICA横浜 教師国内研修について、詳しくは以下をご参照ください。
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