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T20公式サイドイベント「SDGs実施はどのように進んでいるのか~世界各地域の研究者が語る~」開催

2019年6月26日

持続可能な開発目標(SDGs)は2030年をターゲットとして、先進国と開発途上国すべてが持続可能な世界を目指して取り組む普遍的なアジェンダです。一方で、各地域や国々はそれぞれ固有の現実、能力、発展段階や優先課題等に直面しており、グローバルなシステムのもとで、それぞれの多様性を尊重しながら、2030年アジェンダが目指す普遍的な価値の実現は決して容易ではありません。

T20タスクフォース1: 2030 Agenda for Sustainable Development ポリシーブリーフ(冊子)

JICA研究所は、G20大阪サミットへの知的インプットとして、2019年5月26、27日に開催されたThink 20(T20)Japanプロセスを通じ、SDGsの実現に向けた政策提言をとりまとめました(T20タスクフォース1: 2030 Agenda for Sustainable Development ポリシーブリーフ)。

続く5月28日に、世界の開発途上地域で活動する50余のシンクタンクと研究ネットワークをもつSouthern Voiceとの共催によるT20公式サイドイベント「SDGs実施はどのように進んでいるのか~世界各地域の研究者が語る~」をJICA研究所にて開催。アジア・アフリカ・中南米の3地域の研究者をパネリストに迎えて、世界各地でのSDGs進捗状況をレビューし、今後のSDGs達成に向けた示唆を導くことを目的としてパネルディスカッションを行いました。SDGsというグローバルな目標が、各地域・国のローカルな事情に応じてどのような政策や具体的アクションを通じて実践されようとしているのか、課題は何かについて共有し、相互に学ぶ機会となりました。

あいさつを述べる大野泉研究所長

開会のあいさつでJICA研究所の大野泉研究所長は、「SDGsの実践にあたっては地域ごとの視点が重要。多様な国・地域からの研究者が集う今日の場が、そうした視点を知る好機となる」と開催の意義を語りました。

参加者の質問に耳を傾ける登壇者たち

パネルディスカッションは、Southern Voiceプログラムオフィサーのエステファニア・チャルベット氏がモデレーターを務め、パネリストとしてMora Institute(メキシコ)准教授のヴィラヌエバ・レベッカ氏、Center for the Study of the Economies of Africa(ナイジェリア)主任研究員のアデデジ・アデニラン氏、 Centre for Policy Dialogue(バングラデシュ)特別研究員のムスタフィズル・ラーマン氏の3人が登壇しました。まず、チャルベット氏からSouthern Voiceのイニシアティブが紹介された後、パネリストより“政策の一貫性”、“制度的側面”、“資金動員”、“パートナーシップと参加”、“データと説明責任”の5つの側面に焦点を当てた進捗報告や課題意識が共有されました。

“政策の一貫性”と“制度的側面”

国レベルの新たな政策に「誰一人取り残さない」を掲げ、SDGsとの一貫性を重視しているというメキシコの事例がヴィラヌエバ氏から紹介されました。ムスタフィズル氏はアジアの多様性に触れながら、例えば食料安全保障(Goal 2)と気候変動への影響(Goal 13)など、異なる課題に取り組む上ではトレードオフがあり得ることを認識したうえで、省庁横断的な政策調整を行う必要性を指摘しました。

“資金動員”と“パートナーシップと参加”

アデデジ氏からザンビアをはじめ債務問題に陥っている国が少なからずあるアフリカの課題が共有された他、ヴィラヌエバ氏からPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)など民間資金を活用した手法の重要性が増していること、ムスタフィズル氏からはアジア各国でNGOを巻き込む動きが活発化しているという報告がありました。

“データと説明責任”

アデデジ氏から特に環境分野でのビッグデータへの期待が語られた他、ムスタフィズル氏から先住民や遠隔地に住む周辺化された人々の実情をデータで把握することの難しさが指摘されました。

コメンテーターとして登壇した外務省国際協力局地球規模課題総括課課長の甲木浩太郎氏は、日本では総理大臣が主宰し全閣僚を構成員とするSDGs推進本部を設置して取り組んでいることを紹介したうえで、来る2020年の東京オリンピック・パラリンピックや2025年の大阪万博を、SDGsを一層推進する好機としたい考えを述べました。また、アフリカ地域持続可能な開発目標センター総裁のベライ・ベガショウ氏は、SDGs達成のためには、SDGsを個別の国、地域社会、経済的な文脈に合わせて置き換え、実践することが重要であることを改めて強調しました。

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