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ブルッキングス研究所との共同研究による書籍『Leave No One Behind:Time for Specifics on the Sustainable Development Goals』ローンチイベントをワシントンD.C.にて開催—大野研究所長

2019.10.28

米国ワシントンD.C.での世界銀行グループ・IMF年次総会に合わせ、2019年10月18日、JICA研究所は書籍『Leave No One Behind:Time for Specifics on the Sustainable Development Goals』のローンチイベントをブルッキングス研究所(ワシントンD.C)にて開催しました。前月23日のニューヨークでの開催に続いて2回目となったローンチイベントには、研究者、援助関係者、NGO、学生など約90人が参加し、JICA研究所からは大野泉研究所長が参加しました。

パネルディスカッションにも参加したJICA研究所の大野泉研究所長(右端)

同書籍はJICA研究所とブルッキングス研究所による共同研究の成果として、2019年10月に発刊されました。「Leave No One Behind: LNOB(誰も取り残さない)」を持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)達成に向けたスローガンにとどめず、取り残されやすい特定の人々・場所・課題に着目して実践に移すよう喚起したものです。

イベント冒頭、ブルッキングス研究所のジョン・マッカーサー上級研究員が登壇し、「SDGsでは気候変動が注目されがちだが、人間中心の課題に具体的に取り組むことも重要」と強調しました。続いて、大野研究所長がJICAのSDGs達成に向けた取り組みを紹介し、その中でJICAの進める「人間の安全保障」は、LNOBの「誰一人取り残さない世界」と軸を同一にするもので、全ての人々を貧困や紛争、災害などの脅威から守り、一人一人の人間が可能性を実現する機会と選択肢を手にできるよう支援していることを説明しました。

次に、ブルッキングス研究所のホミ・カラス副所長がモデレーターを務めたパネルディスカッションが行われました。UN Foundationのキャシー・カルバン総裁、ドミニカ共和国のJuan Ariel Jimenez経済計画開発大臣、ニジェールのIbrahima Guimba-Saïdou大臣・大統領特別アドバイザー、大野研究所長がパネリストとして登壇し、開発途上国の現場の視点を交えた議論が行われました。ディスカッションの中では、LNOBの実践には国レベルの情報だけでは不十分であり、テクノロジーを活用したデータ収集・分析やサービスの提供、地方レベルでの取り組み、多様な関係者と協働するプラットフォームの重要性などが指摘されると共に、政府間の伝統的な開発協力は今後も重要なものの、民間や研究機関、地方自治体との連携など、新しいアプローチを強化していく必要性などが確認されました。

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