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実施中プロジェクト

リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントが人々の健康行動に与える影響:COVID-19感染症への対応から考える

本研究は「COVID-19研究:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と強靭な社会に向けて」の分担研究として実施している研究です。

COVID-19パンデミック禍における健康危機への対応においては、ワクチンや治療のみならず人々の予防的行動が鍵となることは過去のエボラ、SARSなどの感染症パンデミックの経験からも明らかです。WHOは人々が公衆衛生や社会・経済対策のルールについて理解を示し、遵守する意思を持つことが重要であり、そのためにはリスクコミュニケーション・コミュニティーエンゲージメント(RCCE)が過去にないほど重要な意味を持つとして、指針「COVID-19 Global Risk Communication and Community Engagement Strategy」を示しています。

感染拡大を防ぐには人々が新しい感染症に対する効果的な予防行動をいかに迅速にとるかが重要ですが、政治、文化、社会構造の違いに加え、人々の社会的規範や価値観の違いが健康行動に与える影響は大きく、各コミュニティーの文脈にあったRCCE戦略が求められています。そのためには、関与するアクターの状況を分析・考慮する必要がありますが、そのようなアクター分析研究はあまり見られませんでした。

そこで本研究では、政府を始めとする公的セクター、住民、エンゲージメント活動を行う団体などの関係アクターの特徴や、アクター間のつながりが健康行動に与える影響、そして平常時のアクターがどのような方法で有機的につながりコミュニティーをつくることが緊急事態への迅速な行動につながるのかについて研究を行います。これら研究から危機に強いコミュニティーの在り方についての示唆が得られることが期待されます。