実施中プロジェクト
地球温暖化の進展により、グリーントランジションの重要性が増しています。グリーントランジションとは、石炭や石油、天然ガスといった化石燃料エネルギーを中心とした産業構造・社会構造を、太陽光や風力発電を中心としたクリーンエネルギー中心へ転換する取り組みを指します。グリーントランジションは本来成長と対立するものではないと考えられますが、これまでの伝統的な市場志向の考え方だけでは、「市場の失敗」の存在や、適切な資本・リスクの交換市場の不在などから、両者は必ずしも容易に調和しません。
JICA緒方研究所とコロンビア大学政策対話イニシアチブは、上記の問題について、地球環境に配慮したグリーンな開発(green development)がアフリカをはじめとする開発途上国の急速な発展に対し、どのように補完的なものになり得るかを明らかにします。さまざまな有識者と連携し、グリーントランジションが、どのように従来の比較優位の概念などを変化させ、開発政策の在り方を変えるか、グリーンな産業政策とはどのようなもので、従来の東アジアの経験、さらには進行中の米国での新しい産業政策から学ぶものはあるか、新しい世界とその中での貿易などの枠組みはアフリカなど他の開発途上国にどのような示唆があるか、といった問題について検証を行っていきます。
コロンビア大学政策対話イニシアチブとの共同研究
JICA緒方研究所は海外の有識者や研究機関との連携を通じた、開発の重要課題についての研究、国際的な研究ネットワークの拡充と発信力の強化を図っています。2008年の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)より、ジョセフ・スティグリッツ教授が率いるコロンビア大学政策対話イニシアチブ(Initiative for Policy Dialogue)と共同研究を実施してきました。今回のグリーントランジションをテーマとした共同研究は、この第6回目の取り組みとなります。
関連リンク
- ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授、複合危機下の世界経済を語る—ナレッジフォーラム特別編
- スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞)とともに「アフリカの質の高い成長 -持続可能、包摂的かつ強靭な開発を目指して-」のTICAD7サイドイベントを実施
- TICAD7パートナー事業「ノーベル経済学賞・ジョセフ・スティグリッツ教授と議論する『グローバル化する世界とアフリカ—SDGsの達成に向けて』」開催
- スティグリッツ教授を中心としたコロンビア大学政策対話イニシアチブ(IPD)とJICA研究所の共同研究によるワーキング・ペーパー集を公開
- Employment~グローバルな産業構造と人口動態の変化が雇用に及ぼす影響~(コロンビア大学政策対話イニシアチブとの第5次共同研究
- アフリカにおける質の高い成長(IPDとの共同研究)
- ジョセフ・スティグリッツ
- 研究期間
- 2025年03月01日 から 2028年03月31日
- 主査
- 原田 徹也
- JICA緒方研究所所属の研究者
- テクレハイマノト・ソロモン・ハディス
- 関連地域
-
- 開発課題
-
scroll