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- 開催報告(グリーンステージ)「JICAクリーン・シティ・イニシアティブ(JCCI)国際セミナー2025」
※セミナーはブルーステージとグリーンステージの2会場で同時進行にて行われました。
セミナープログラム(グリーンステージ)
(注)発表資料(PDF)と動画(日本語)は下記リンク先で閲覧できます。
プラスチック条約に向けた取組み
本セミナーのプラスチックプログラム「プラスチック条約に向けた取組み」は、釜山で開催されたINC5において、プラスチック汚染に関する新たな拘束力のある国際条約について各国の合意に至らなかった最近の状況を踏まえ、ドナー、政府、大学、民間セクターがプラスチック汚染に対処するために取るべき具体的な行動について議論し、情報を共有します。
(1) プラスチック条約締約下のドナー支援とは
JICAのプラスチック汚染防止に向けた取り組み
前島 幸司氏(JICA地球環境部 環境管理・気候変動対策グループ 主任調査役)
JICAは、「JICAクリーン・シティ・イニシアティブ」のクラスター事業戦略「廃棄物管理の改善と循環型社会の実現」に沿って、プラスチックをはじめとする廃棄物管理の協力を展開中。対象国の発展段階に応じて、収集・運搬・最終処分の一連の廃棄物管理サービスの向上(第一段階)、プラスチックのリサイクル等を通じた廃棄物減量化による環境負荷の軽減(第二段階)、国レベルのリサイクル法の導入や生産者(民間)含めた広範な主体による循環型社会の推進(第三段階)を進めている。さらに、陸域での不適正な廃棄物管理により海洋に流出した海洋プラスチックごみの持続可能なモニタリング・管理枠組みに係る研究を進めている。
ドナー対話:INC5後のプラスチック汚染対策に対するドナー支援の今後の方向性を探る
フェリペ・ダール氏 (国連環境計画:UNEP プラスチック廃棄物計画官)
プラスチック汚染に取り組むための循環型ソリューション:
UNEP は、プラスチック汚染に取り組むためのライフサイクル アプローチを提唱しており、これはプラスチック汚染に関する新しい法的手段の交渉の基盤となっている。プラスチックのライフサイクルのあらゆる段階で環境汚染やその他の悪影響を考慮する必要があるため、このライフサイクルアプローチは不可欠である。UNEP は、持続可能なプラスチック廃棄物管理プロジェクトや、市場変革を加速させる環境を整え、促進することを目指す分野横断的な UNEP プラスチック イニシアチブなど、いくつかのプロジェクトやイニシアチブを通じてこの理論を推進している。 UNEP は、地球規模のプラスチック汚染を終わらせるという大胆で変革的なビジョンを掲げている。
渡辺 陽子氏(アジア開発銀行:ADB 環境局 部長)
海洋プラスチック汚染は、地球の生態系と生物多様性の保護にとって広範囲に亘る根強い課題である。2019年以降、ADBは、海洋プラスチック汚染に対する各国、各地域、そして世界的な解決策を、より広範な持続可能な経済、環境、社会開発の機会と積極的に統合してきた。 現在交渉中で採択が目指されている「国際プラスチック条約」は、部門別投資を加速させる確立された革新的な資金メカニズムによって補完されれば、プラスチックのバリューチェーンの管理強化に向けた世界および地域レベルの取組みにおける画期的な出来事となる。 本プレゼンテーションでは、プラスチック汚染への対策に対するドナー支援の機会、ADBの現在の技術支援、調査研究、政府および民間セクター向け融資の進捗状況と教訓、そして各国および地域レベルでの投資動員と政策策定の鍵となる機会について取り上げた。
質疑応答、パネルディスカッション
【モデレーター】大沼 洋子氏(JICA 地球環境部 環境管理・気候変動対策グループ アソシエイト専門員)
(2) タイ海洋プラスチック汚染の最前線 -研究から社会実装へ-
タイにおける海洋プラスチック研究―SATREPSプロジェクトの最新成果
磯辺 篤彦教授(九州大学応用力学研究所)
2020年より始まったSATREPSプロジェクト「東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成 」によるこれまでの研究成果を紹介する。陸上のオープンダンピングサイトから路上を経て海域に広がり、動物プランクトンやサンゴ体内に入り込んだマイクロプラスチック汚染の現状について最新の知見を報告する。また、タイ湾で実施した船舶観測より、海岸や海上におけるプラスチックごみの浮遊状況や起源推定についても報告する。
科学的根拠に基づいた介入を推進するための統合型海洋ごみ管理に向けたタイでの取り組み
築地 淳氏(タイ国JICA専門家)
JICAでは、タイ環境天然資源省海洋沿岸資源局の要請に基づき、2024年2月から1年間の予定で、「統合型海洋ごみモニタリングシステムに向けたタイ海洋ごみセンター(MDC)設立計画策定事業」を実施しています。本事業は、海洋プラスチック汚染問題に対応するため、包括的な戦略的枠組み及び計画を策定し、科学的根拠に基づいた政策支援、革新的な研究、国際協力を推進することを目的としている。文献レビュー、現地訪問、関係者との意見交換を経て、MDCの戦略的枠組み案が策定され、キャパシティビルディング、データ統合、関係者の連携促進といった主要活動が明確になった。本セミナーでは、既存の海洋ごみモニタリング活動から、プラスチックライフサイクル全体を踏まえた統合型海洋ごみ管理への移行への道筋について紹介した。
(3) SDGs12: 持続可能な消費と生産に係るプラスチック対策のアクションとは
トンガにおけるプラスチックの取組紹介
サイモネ・ブキ氏(トンガ・リサイクル協会:TRA 会長)
スリランカにおけるプラスチックの取組紹介
ニレシュ・チャトランガ・セナラトゥナ氏(エコスピンドルズ社 エグゼクティブ オフィサー)
インドネシア・パダン市におけるプラごみ対策―デジタルによる連携の基盤づくりー
林 美穂氏(公益財団法人地球環境戦略研究機関:IGES プログラムマネジャー)
人口約100万人の西スマトラ州の州都パダン市は、増え続けるプラスチック廃棄物と、ほぼ満杯の埋立地により深刻な課題に直面している。最寄りのリサイクル施設は約800キロメートル離れており、リサイクルの取り組みが費用面で困難である。その代替案として、市は地元のセメント会社と協力し、RDF(固形回収燃料)の開発を進めている。
この状況を考慮し、地球環境戦略研究機関(IGES)は2022年にパダン市の統合廃棄物管理アクションプランの策定を支援した。また、プラスチック廃棄物の分別と収集の効率を高めるため、デジタルツールを導入するパイロット活動が実施される予定。このツールは、ごみ銀行、ごみ排出者、RDFのオフテイカーを結びつけ、リアルタイムでデータを共有することで、取引の透明性と効率性を確保する。この取組は、消費者と事業者の双方に利益をもたらすことを目指している。プレゼンテーションでは、バリューチェーン全体でのステークホルダー間の協力を促進するデジタルツールの重要な役割を強調する。
質疑応答、パネルディスカッション
【モデレーター】大沼 洋子氏(JICA 地球環境部 環境管理・気候変動対策グループ アソシエイト専門員)
セッションまとめ
柴田 和直氏(JICA地球環境部 次長)
動画(外部サイト:YouTube)
企業によるビジネスピッチ
民間企業12社
日本企業による環境管理及び気候変動にかかる優れた製品・技術・サービスについてのプレゼンテーション
グリーンアンモニア・低炭素肥料の地産地消事業
つばめBHB株式会社
風力発電による分散型電源システムの導入の紹介
株式会社駒井ハルテック
日本のフロン回収と再生処理技術
株式会社エム・ゼット
独自のAM技術と材料化技術を活用したGreen Creative™ Innovation
株式会社ExtraBold
石灰石を活用した環境素材LIMEXによるプラスチック代替と、リサイクル事業による資源循環
株式会社TBM
ヘミセルロースを活用した生分解性バイオプラスチック”HEMIX™”樹脂材料~製品までの一貫開発・生産プロセスについて
株式会社ヘミセルロース
価値ある森林と都市を未来に:EJECの環境管理コンサルティングについて
株式会社エイト日本技術開発
捨てるものがない明日を目指す資源循環技術 〜未利用農業資源が社会変革する素材に生まれ変わる〜
株式会社フードリボン
紅い海藻「カギケノリ」が牛と海と地球を救う!
株式会社アルヌール
海洋ごみ回収装置と海洋ごみマップを活用した、海洋ごみ回収技術
特定非営利活動法人クリーンオーシャンアンサンブル
漁網を未来の資源にする漁網アップサイクルベンチャー
amu株式会社
100%食品廃棄物から新素材をつくる
fabula株式会社
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