JICA研究所

研究紹介

研究領域

JICA研究所では、5つの重点研究領域を定めています。

経済成長と貧困削減

写真:谷本美加/JICA

日本と東アジア諸国は、経済成長を実現し貧困を克服した成功例と考えられています。インフラ事業はその発展の過程で重要な役割を果たし、また、引き続き開発途上国に対する日本の主要な支援事業の一つであることから、インフラ事業による経済社会的効果等に関する分析を行います。また、「質の高い成長(Quality Growth)」の概念を体系的に整理し、理論的支柱となるような研究を行います。その他に、ドル化や海外送金といった国内経済や住民の生活に大きな影響を及ぼす開発途上国の金融状況についても研究を行います。加えて、近年、成長著しいアフリカ諸国の更なる発展と貧困削減を支援すべく、アフリカにおける米生産や小規模園芸農家に関する支援内容の実証分析を行います。

人間開発

教育を受けること、健康で長生きすること、人間らしい生活水準を享受することを通して人々の能力や可能性を広げることは、それ自体が重要であるだけでなく、社会的経済的な発展に必要不可欠な条件です。日本が国内や開発途上国で蓄積してきた経験や知見を活かせる分野である一方で、グローバルガバナンスの変化の中でこれまでの取り組みからの変化を求められています。日本の国際教育協力の歴史の分析、途上国における海外留学のインパクトに関する研究、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進などの研究テーマとともに、2019年に日本政府が主催するG20に向けたシンクタンクグループ(T20)の政策提言や他機関とのネットワークの構築に取り組みます。

平和と開発

写真:谷本美加/JICA

今日の世界では、武力紛争、大規模自然災害、感染症の爆発的流行、越境犯罪などのさまざまな危機により、人々の生命、生活、尊厳が脅かされています。その背景には、貧困、差別、不平等、気候変動など多くの要因があり、国際社会はより革新的かつダイナミックに問題解決にあたることが期待されています。平和と開発領域では、さまざまな脅威に直面する人間の安全保障や持続的な平和をどのように実現するかとの観点に立ち、これら問題の背景にある要因をより体系的に明らかにするとともに、人道的対応、持続的な開発、持続的な平和に従事する多様な主体による取組みを比較分析することにより、有効な支援のあり方を探ります。

地球環境

写真:今村健志朗/JICA

多くの開発途上国では、経済発展や人口増加、都市化の進展に伴い、不適切な廃棄物処理や水質汚濁、大気汚染などの環境問題が従来以上に深刻化しています。また、気候変動は、世界のあらゆる国々の安定と繁栄、人間の安全保障にとって脅威となっています。気候変動対策は持続可能な開発を実現するための必要不可欠な条件のひとつとなっています。しかし、環境問題の多くは複雑な要因が絡み合って発生しており、短期的な解決策を見出すことは困難な状況です。そのため、世界各国で、これらの地球規模での環境問題への対応を進めていますが、環境問題・気候変動とされている事情の科学的な分析、その対処を行っていくための法制度設計、問題対応への政策実施の必要事項と検討すべき事項は多岐にわたっています。
こうした検討は、個々の国のみならず、世界全体の持続可能な発展の実現のために不可欠です。JICA研究所では、発展途上国における環境問題や気候変動への対処を考察し、自然科学分野で蓄積された知見や方法をも取り入れながら、援助の現場での経験やデータを踏まえつつ、将来のJICA環境協力に係る見取り図の提示を目指します。

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