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東アジアにおける人間の安全保障の実践

「人間の安全保障」は、1994年に国連開発計画(UNDP)の「人間開発報告書」で紹介されて以来、普及が進み、概念の整理についての議論は収斂しつつあります。しかし、人間の安全保障を脅かす脅威が実際に生じた場合に現場でどう実践していくのかについては未だ研究途上であり、特に具体的事例を横断的に比較分析した研究はほとんどありません。
 本研究では、こうした背景の下、国毎に多様な動きのある東アジア地域(日本、中国、韓国、ASEAN諸国)に焦点を当て、人間の安全保障に関する認識(perception)と実践(practice)を2つの段階に分け研究しました。
 まず第1段階研究では、東アジア各国において人間の安全保障の概念がどのように理解され、また何が人間の安全保障上の脅威として認識されているかを政府の政策文書や政府/市民社会/研究者等異なる立場の複数関係者へのインタビューから探りました。次に第2段階では、人間の安全保障に対する脅威が具体的に生じた事例を10ケース程度取り上げ(自然災害、紛争、感染症の爆発的流行等)、それらの危機に直面してどのような実践がなされたのかを事例毎に詳細に分析しました。これにより、人間の安全保障を実現するための実践を今後より一層推進していくための教訓を得ることができました。

研究領域
平和構築と人道支援
研究期間
2013年10月01日 から 2019年03月31日
主査
峯 陽一
JICA緒方研究所所属の研究者
武藤 亜子、 ゴメズ・オスカル、 後藤 幸子、 甲野 綾子、 田中 明彦、 ルイ サライヴァ
関連地域
  • #アジア

研究成果(出版物)