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ラオスJICA海外協力隊派遣60周年メッセージ企画 Vol.12 総集編

2025.12.25

ラオスへのJICA海外協力隊派遣は、今月2025年12月に開始から60年を迎えました。60周年を記念した本メッセージ企画もいよいよVol12で最終回です。今回は総集編としてこの1年の海外協力隊の活動の一部を、写真と共に振り返ってみたいと思います。
ラオス海外協力隊派遣60周年のテーマとして掲げた「結ぶ、繋ぐ、紡ぐ」を感じさせる、充実の1年となりました。

【ラオスJOCVの2025年】

●初代隊員からのメッセージ

 本企画Vol.2 では、初代隊員の大西規夫さんから60周年に寄せた手記を頂きました。その中では、1965年当初の活動の様子や戦争の影響など、当時の様子が鮮やかに記されており、協力隊の歴史を感じられました。そして、10月には、大西さんの58年ぶりのラオス訪問が実現。現役隊員49名と共にソーンサイ・シーパンドン首相を表敬訪問された他、当時の配属先であったサラカム稲作試験場を訪れ、大きく変貌を遂げたラオスの水田やよく実った稲穂に感嘆されていました。

2月 国際空港プロジェクト&絵本寄贈

 2月から4月にかけて、ラオス産の手工芸品の認知度向上や、販路開拓、生産者の収入向上などを目的にした展示販売イベントを、首都のワッタイ国際空港で開催しました。 その売上金の一部を活用し、ラオス企業やNGOと協力して、ラオス語絵本を小学校などへ寄付しました。

5月 保健医療隊員が集結

 5月、看護師や助産師など、保健職種隊員8名がラオス全国から首都に集結しました。隊員が配属されている首都の病院で研修会を開催し、首都と地方部の医療事情、病院環境の違いをラオス人医師や看護師らと学びました。その後、研修の成果を地方病院でも生かすべく、カウンターパートたちと日々奮闘しています。

6月 市民の水を守る活動

 6月、水質検査職種の隊員3名がルアンパバーンの浄水場で、水道公社職員の検査技術向上を目的とした勉強会を開催。ボリカムサイ県、チャンパサック県配属の隊員とカウンターパートたちが集まり、それぞれの浄水場の運営方法なども意見交換しました。その後、9月にチャンパサック、12月にボリカムサイでも勉強会が継続的に行われました。

7月 ウドムサイ日本祭り

 7月には、ウドムサイ県派遣の隊員3名が中心となり、子ども文化センターで日本祭りを開催しました。週末とあって地元の子どもたちが大勢駆け付け、浴衣の着付け、よさこい踊りや、つきたてのお餅を楽しむなど、隊員との文化交流を楽しみました。

10月 首相表敬、及びJICA海外協力隊ラオス派遣60周年記念式典

 10月16 日、ラオスで活動する全JICA海外協力隊員によるソーンサイ・シーパンドン首相への表敬訪問とJICA海外協力隊ラオス派遣60周年記念式典が、首都ビエンチャンで行われました。首相表敬では隊員代表によるラオス語でのスピーチ、式典では柔道の演武やよさこい踊り、隊員写真の展示などが行われ、日本・ラオスの各メディアで紹介されました。あらためて多くのラオスの方々に、JICA海外協力隊の歴史とラオスとの絆を知っていただける機会となりました。

11月 愛子内親王殿下来訪

 11月、愛子内親王殿下が初の海外公務としてラオスへ来訪されました。協力隊が活動するラオス日本武道センター、ルアンパバーン国立博物館を御訪問。また、隊員代表者などとも御接見され、御言葉を交わされました。殿下の御訪問に身が引き締まると同時に、激励の御言葉と元気をいただきました。この機会を通じて、ラオスと日本との友好関係がより深くなったことを感じました。

12月 オリンピック銀メダリストとのコラボレーション

主だったイベントや活動の一部ご紹介しましたが、ラオス派遣中隊員それぞれが、ここでは紹介しきれないほど多くの活動を展開しました。隊員の日々の活動や生活の様子もブログで紹介していますので、ぜひご覧ください。

JICA海外協力隊の世界日記

【カウンターパートからの声】

”カウンターパート”とは、隊員が活動するうえでパートナーとなる、配属先やそのスタッフのことを指します。隊員のラオスでの活動・生活を支え、一緒に活動を進めていく重要な存在です。カウンターパートたちから隊員へのコメントをいただきました。

ラオス柔道連盟マユリーさん
「隊員は柔道のトレーナーとして、指導に細やかな注意を払っており、技術や手順、ステップなどあらゆるポイントを丁寧に教えてくれています。」

マホソット病院ラムグンさん(右1人目)
「ラオス人看護師への日々の助言や、いろんな研修会などを通して、患者が安全かつ満足いくサービスを受けられるにはどうしたら良いか、一緒に考え活動してくれています。」

サワンナケート教員養成校パニャティップさん
「隊員と一緒に仕事ができることを嬉しく思います。小中学校の生徒や、教員養成校の学生を対象にした様々な活動に協力してくれたことに感謝しています。」

ウドムサイ県カムシーさん(工芸品生産者)
「私は当初新しい商品の開発が分からなかったのですが、隊員が教えてくれた商品サンプルと、型紙をもとに自分で製作をはじめ、それを他のメンバーにも教えました。隊員たちが熱意をもって支援してくれたことに感謝しています。」

シェンクワン県農林局カンボアさん
「隊員のカウンターパートとして一緒に働ける機会をとても嬉しく思います。JICAが農業分野に強く注力してくださっていることに、心より感謝申し上げます」

【未来に向けて】

 この1年間、60周年メッセージ企画 をご覧いただきありがとうございました。JICA海外協力隊は2025年で60年の節目となりましたが、61年目以降のこれからも、JICAラオス事務所はこれまでと変わりなく現地の人々との関わりを大切にし、ラオスの社会や、人々の暮らしが良くなるための貢献を続けていきます。そして、協力隊の皆さんがその経験を日本に還元し、日本の社会課題等の解決にも貢献していく活動を続けて参ります。 60周年テーマ「結ぶ、繋ぐ、紡ぐ」のとおり、これまで築いてきた歴史と信頼の絆を未来へと引き継いでいきます。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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