【所長のつぶやき】Ver.4 ~ 進化する22年度研修事業 ~

JICA東京は遠隔研修と本邦研修の良いところを組み合わせた、最高の研修、「共創」の場の提供を目指します。

2022年8月29日

国内最大規模のJICA研修実施機関として

研修の様子を見守る田中所長。来日再開の喜びが隠せません。

JICA東京のサイトにご訪問いただき有難うございます。所長の田中泉です。
JICA東京を応援いただいている皆さま、また事業を一緒に作ってくださっている皆さま、いつもありがとうございます。

JICA東京は設立以来、JICAの国内最大規模の研修実施機関として、開発途上国の抱える様々な課題に対応するため、日本国内の関係機関の皆さまの協力を得て、多種多様な研修メニューを開発途上国の方々に提供しています。研修は共に学び新たな価値を創造する「共創」の考え方に基づき、講義、視察、実習、プレゼンテーション、意見交換などを通じて途上国からの参加者が国内外の講師と共に、学びを深め新たな気付きを得る場となっています。

研修員の皆さんの姿がセンターに再び!

JICA東京の食堂に行くと、英語メニューの説明をじっくりと読みながら、ランチを選んでいるアフリカの研修員たちに会いました。
「時差ボケがヒドイんだよ。」「辛いですね。週末はたっぷり睡眠をとって、リラックスして過ごしてくださいね。」などと会話も。

コロナ禍では遠隔での研修が中心でしたが、政府の水際対策の変更もあり、今年度になり日本にインド、モンゴル、スリランカ、ネパール、ウガンダ、エジプト、マラウイ…と様々な国から研修員の方々がやってきています。感染予防をしっかりおこないながら、研修員の方々に日本を見ていただき考え議論し共創を実現しています。同じ場所で意見を共有し学びあうことは大変貴重な経験です。東京センターのロビーや食堂では、彼らの楽しそうな声が響いています。研修員の方々は皆、日本で学んだことを、自分の国の課題解決に活かすべく真摯に研修に参加しています。東京センターに研修員の皆さんが戻ってきたことを嬉しく思います。
他方、オンラインの講義・討議やオンデマンド教材の活用などコロナ禍でも様々な工夫をし、遠隔研修でも「共創」の場の提供を続けています(ちなみに2021年度は東京センターで世界各国から約1,500名に遠隔研修に参加いただき、共創の場をともにしました)。日本を含めた世界中の関係者が様々な開発上の課題についてともに議論し、遠隔研修であっても日本国内における現場の中継映像等の利用により質の高い学びの場を提供し大きな成果を上げています。

研修での学び・繋がりを大切に 

研修を修了し、達成感に満ちた表情の研修員たち

7月には約1週間にわたりウガンダ、ガーナ、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、タンザニア、そしてリベリアの6か国から7名の研修員がオンラインで集まり、「保健衛生管理 ーリーダーシップ及びガバナンス」研修をオンラインで実施しました。初日には、研修員が自国の保健・医療政策について発表しました。その際、財政的な問題や、医療関係者の知識・スキル不足を挙げる声が多く聞かれ、国は違えど共通の課題に、他の研修員たちも熱心に耳を傾けていました。また日本における新型コロナウィルス対策についての講義があり、日本も含めた参加者が各国の事情を踏まえつつ新しい課題にどう対応していくか議論しました。研修の最後には、ウガンダから参加したアグレイさんが研修員を代表して今後の抱負を述べました。アグレイさんは、本研修の関係者へ感謝の言葉を伝えるとともに、「この研修を通じて、私たちは大きな自信を得ることができました。この研修で得た学びを活かせば、私たちは国の医療を変えていくことができます。ぜひ、これから私たちがここで得たものを活かしてどのように国を変えていくのか、見守っていてください。」と力強い決意を表明しました。

進化する22年度研修事業

遠隔研修をともに作っている皆さまをオンラインで結び、遠隔研修の工夫や課題等の実例を共有し学びあい、研修の質の向上を目指す取り組みも行っています。

オンライン実施受け入れ説明会の様子

2022年4月に開催した、受け入れ説明会では、遠隔研修の事例発表や、課題と感じる点についてのグループワークを行い、遠隔研修をともに作っている皆さまの経験を共有いただき、参加者から大変好評でした。
コロナ禍で活動が制限される中で得た知識を生かし、来日研修と遠隔研修を組み合わせるなど新しい取り組みも進めていきます。
コロナ禍で難しい時ですが、JICA東京は未来への「挑戦」を全力で応援しています。未来へ続く希望の光をしっかりとも灯していきましょう!