jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

JICAは国際協力事業安全対策会議の最終報告(2016年8月30日)を踏まえて、以下のような安全対策の強化に取り組んでいます。

1.脅威情報の収集・分析・共有の強化

外部情報リソースの拡充

地域情勢、危機管理、治安分析に関する外部の専門家やセキュリティ会社等との契約を増やして情報源の一層の多様化を図っています。

国際機関との連携強化

現地治安当局からの情報収集に加え、途上国で活動している国際機関との間で、在外拠点間での情報共有等の連携強化を図っています。

外務省との連携強化

外務省との安全情報の共有や緊急連絡体制を強化しています。

  • 海外渡航管理(トコカン)システムへの登録

JICAの事業に関係する方々に対して、渡航前に海外渡航管理(トコカン)システムへの登録を徹底しています。トコカンシステムによって、現地に滞在している関係者に対して注意喚起の情報発信や、安否の確認を迅速に行います。トコカンに登録した渡航情報は、外務省の「たびレジ」にも自動連携されます。(注)

在留届の徹底

赴任後の在留届の提出を徹底しています。

(注)「たびレジ」は外務省が運営しているシステムで、海外旅行や海外出張される方が旅行日程・滞在先・連絡先などを登録すると、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メールなどが受け取れます。

2.事業関係者及びNGOの行動規範

緊急連絡訓練の徹底

全在外拠点で緊急連絡網に基づいた緊急連絡訓練を徹底しています。

国別安全対策措置(渡航措置・行動規範)の徹底

JICAと契約関係にある方々に対して、JICAが現地の治安状況に基づき国別に定めている安全対策措置(現地への渡航や現地での行動について定めたルール)を契約交渉の段階でご説明し、遵守をお願いしています。

国別安全対策措置(渡航措置・行動規範)の幅広い提供

国別の安全対策措置を照会できる窓口を設け、JICAとの契約関係の有無に関わらず、広く国際協力事業に関わっている企業やNGO等の方々にも、ご要望に応じて提供しています。

派遣前安全ブリーフィングの実施

JICAとの契約に基づいて脅威度の高い国に派遣される方々に対しては、派遣前に安全管理部が現地の安全情報と行動規範を説明しています。

3.ハード・ソフト両面の防護措置、研修・訓練の強化

国内及び在外における安全対策研修の拡充

広く国際協力事業に関わっている企業やNGO等の方々を対象に、国内及び在外での安全対策研修・訓練を拡充しています。

プロジェクトサイト等の防護態勢の点検

現地で実施中の事業の防護状況を点検する調査を行い、事業現場の安全対策強化を図っています。

脅威度が高い国での防護強化

脅威度が高い国への防弾車の追加配備、及びJICA事務所や宿舎等の防護強化を図っています。

4.危機発生後の対応

メンタルケアの強化

メンタルケア研修やストレスチェック等を実施し、在外健康管理員の増員も図っています。

JICA関係者向け海外旅行保険の新設

資金協力事業関係者や帯同家族を含むJICA関係者向けの海外旅行保険(無事カエルパック)を新設しました。

国外退避支援の対象拡大

内乱等が発生して国外に緊急退避する際に航空機の手配等を支援する対象者を資金協力事業関係者まで拡大しました。

5.危機管理意識の向上・態勢の在り方

本部の態勢強化

安全管理を担当する理事を新たに任命するとともに、総務部安全管理室を安全管理部に格上げして人員を拡充し、安全対策の強化と危機管理意識の向上に取り組んでいます。

在外拠点の態勢強化

脅威度の高い国の在外事務所で安全対策を専任で担当する職員及び企画調査員の増員を進め、現地での安全対策の強化と危機管理意識の向上に取り組んでいます。