JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.37 Ethnic Networks and Technical Knowledge Learning in Industrial Clusters

本研究はタンザニア、アルーシャ市の家具集積地に立地する家具製作所、234 軒の企業データを用い、産業集積地で起こる家具生産者間の技術的な知識交換のメカニズムを検証する。ここで知識交換は、同一の産業クラスターに属する家具生産者間で、生産工程において同様の生産技術を用いることと定義される。実証分析の結果、民族のネットワークの強さ(同民族の人数)が生産技術の獲得に対し、有意にプラスの効果を持ち、特に生産設備に依存せず、主に家具生産者自身の技術頼る木材の接合技術などに対して影響があることが明らかになった。さらに家具製作者の二者間データを用い、たとえ両生産者が同一民族であったとしても、2 人が同一多数民族であるケースより、2 人が同一少数民族である場合のほうがより同一の生産技術を用いる確率が高いことを明らかにした。これらの実証結果は、民族ネットワークが産業クラスター内の知識交換を促進することを明らかにしたが、民族ネットワークの持つ正の外部性には限界があり、知識交換は少数民族グループ内でしか起こらず、かつ精密機器や設備の必要のない技術に限られていることを示唆する。

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