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『Impacts of Study Abroad on Higher Education Development』

  • #書籍および報告書

本書は、海外留学が個人に加えて組織に及ぼすインパクトを実証的に示しているという点において、極めて稀有で価値の高いものです。

著者たちは、マレーシア、インドネシア、ベトナム、カンボジアの主要大学10校で大規模な質問紙調査やインタビュー調査を行い、そのデータをもとに教員の海外留学経験の変遷と、それが教員の活動や大学の発展に及ぼしたインパクトを分析しました。その結果、教員の海外留学は、トップレベルの大学の成長過程において、教育プログラムの整備、研究の質の向上などに大きく貢献してきたのみならず、国際化が進展する近年の高等教育環境のもとでは、教員の留学が大学の国際的な活動の重要なベースとなっていることが示されました。

その一方で、一部の国では、国内の大学院で大学教員の養成が可能になり、また他の東南アジア諸国の留学先国となるなど、この地域の高等教育の急速な発展も明らかになりました。大学教員の留学経験は、出身国や留学先国によっても多様であり、こうした留学のさまざまな要素による違いや変化も検証されています。

これらの実証分析によって、本書は個人や組織への留学インパクト、東南アジアの高等教育の発展、高等教育国際化と大学教授職の貢献などについて、新しい理解を生み出しています。

【著者一覧】
萱島信子、杉村美紀、黒田一雄、北村友人、Sarah R. Asada、嶋内佐絵、Morshidi Sirat、Chang Da Wan、Magdalene Chooi Hwa Ang、M. J. Muhammad Sharrieffuddin 、Shadiya Mohamed Saleh Baqutayan、Adibah Binti Abdul Latif、Sharifah Hafizah Syed Ariffin、Siti Hasliah Salleh、Sathiabama T. Thirugnana、Bagyo Y. Moeliodihardjo、梅宮直樹、Yudi Soeharyadi、Wahyu Supartono、Hermin Indah Wahyuni、Vissia Ita Yulianto 、Thuy Anh Nguyen、Jung Hyun Ryu、Say Sok、Rinna Bunry 、芦田明美、辻本温史

本書は、オープンアクセス出版のため、以下のSpringerのウェブページからダウンロード可能です。

編者
萱島 信子杉村 美紀黒田 一雄北村 友人
発行年月
2024年8月
出版社
Springer
言語
英語
ページ
301
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #教育
研究領域
人間開発
ISSN
Series ISSN:2523-3084 Series E-ISSN 2523-3092
ISBN
Hardcover ISBN:978-981-97-0774-4 Softcover ISBN:978-981-97-0777-5 eBook ISBN:978-981-97-0775-1
研究プロジェクト