jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

柱1:経済成長のための人材育成

目的

  • 移住労働者が出身国の質の高い成長に寄与するための人材育成に貢献する。
  • 高齢化・少子化等の課題に直面する日本の労働力不足の解消、課題解決に必要な技術の共創・イノベーション等に貢献する優秀な人材の確保、貿易・投資の促進に資する海外企業・人材とのネットワークの構築等を通じ、日本社会・経済の発展にも大きく寄与する。

取組方針

  • 各産業に関連するグローバル・アジェンダの下、来日する外国人労働者が、日本で学ぶ技術や日本で構築するネットワークを出身国の経済成長につなげるための協力・取組を技術協力・資金協力事業、民間連携事業、草の根技術協力事業、海外協力隊事業、プラットフォーム活動などにより実施する。
  • 日本への労働者の送出による産業人材育成・貿易投資促進等の効果が期待され、日本側でも受入れのニーズが高い国・産業の特定、ステークホルダー間の連携促進を行う。
  • 送出・受入れの促進や帰国後人材の活躍の機会の拡充のため、当該国に対する正しい情報提供、政策・制度整備、人材育成(入国前の日本語教育等を含む)、インフラ整備、ネットワーク構築・強化等の支援を行う。

JICAの取り組み事例

人材育成・適正な送出し促進支援

バングラデシュICT人材育成・就労支援 -宮崎市での産官学連携による高度人材確保プロジェクト-

日本語学習、インターン、就労・生活環境支援等という、就職までの一連の流れにおいて、宮崎市・宮崎大学及び地域の企業が連携することで、高度外国人材導入を推進してきました。JICAの技術協力プロジェクトの一環として導入したバングラデシュ側での研修プログラム(B-JET:Bangladesh-Japan ICT Engineers' Training Program)は、2021年より宮崎大学及び現地の大学に継承されましたが、宮崎-バングラデシュ間における更なる経済交流促進を目指し、2022年からは草の根技術協力事業「宮崎-バングラデシュ ICT 人材育成事業」(B-MEET:Bangladesh-Miyazaki ICT Engineers Educational Training Project)を開始しました。現地の大学、企業団体と協力し、現地企業への日本語・日本理解研修、宮崎と現地の企業間の連携強化に取り組むことで、持続的関係の構築を目指します。

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JICA海外協力隊の派遣を通じた、開発途上国における日本語教育への協力

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JICAは開発途上国からの要請に基づき、それに見合った技術・知識・経験を開発途上国のために活かしたいと望む方を募集し、選考・訓練を経て、JICA海外協力隊を派遣しています。180以上の職種があり、そのうちの1つが「日本語教育」です。
1965年の派遣開始から現在まで、3,300名以上の日本語教育隊員を派遣してきました。隊員は、日本語教育を通じ、親日人材・日本語人材や技能人材・産業人材の育成、中南米地域の日系社会とのつながりの強化に貢献しています。
最近では、工学系や技術系の大学、ポリテクニックや職業訓練校などから、現地日系企業への就職や日本での就労も視野においた日本語教育の要請も出てきています。
帰国後は、地域の日本語教育や外国につながりのある子どもの教育など、国内の多文化共生の実現に取り組む隊員もいます。

モンゴル日本センターを通じた日本就労に関心のある方々向けの支援

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JICAはカンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、モンゴル、キルギスに設置された日本人材開発センター(通称:日本センター)を通じ、日本での就労に関心を持つ方々に日本での生活やビジネス環境に関する正しい情報を提供し、就労に向けた準備を支援する取り組みを進めています。
このうち、モンゴル日本センターでは、モンゴル人材キャリア支援として外国人材支援の取り組みを推進しています。自治体と連携した取り組みとして茨城県外国人材支援センター、JICA筑波とともに、モンゴル人材の日本での就労に向けたイベントを開催しています。具体的には、日本企業に対するモンゴル人材の強みや特性の紹介、外国人材雇用のための啓発を目的としたウェビナー「モンゴル人材活用フォーラム」の他、日本での就労に関心をもつモンゴル人材に対し、日本で働くための基礎情報の提供、茨城県企業の紹介や茨城県のPRを目的とした「茨城県就職フェア」等を通じ、両国の関係者へ必要な情報を届けています。日本に出発する前の人材、企業、モンゴル関係機関に対して日本の就労や在留資格等を紹介するパンフレットや動画、セミナーによる情報提供や渡日前研修を提供しています。また、帰国後のキャリア形成支援として日本留学・就労経験をもつ方々を集めたトークイベントを開催し、キャリア形成について主体的に考える機会を提供しています。

自動車整備分野の人材育成及び還流サイクルに向けた環境整備の取り組み

近年は自動車整備専門学校を卒業した外国人留学生の採用も見られるようになったものの、「技能実習」や「特定技能」制度を通じて外国人整備士の受入れや育成を行う事業者はまだまだ少ない状況にあります。JICAではこれまで取り組んできた途上国における自動車整備士育成の知見や経験、途上国とのネットワークを活かし、日本における外国人整備士の育成及び彼らが活躍できる環境づくりを支援する取組を進めています。

一例として、外国人材がキャリアアップを目指し、自動車整備技能を自主的に学ぶためにも、特に来日したばかりで日本語能力が限られている外国人材向けの教材を作成しました。
また、日本で自動車整備技能を学ぶ外国人材のキャリアプラン形成は重要である為、外国人材に向けた自動車整備職分野でのモデルケースの紹介や、キャリアの積み方、魅力を伝える動画等の広報ツールも制作しました。

いずれも無料でご視聴、ダウンロードいただけますのでご活用ください。

草の根技術協力事業における外国人材活用事例

農園たや(福井) x インドネシア
技能実習生の帰国後就農・起業支援を通じた人材還流促進プロジェクト

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インドネシア農業省は技能実習制度を通じた若手農家の育成に期待していますが、多くの技能実習生は実習で得た資金や経験を帰国後に活かすことができていません。また、農業省傘下のインドネシア農業訓練センターが技能実習生に提供する派遣前訓練は、日本語や基本的な農業技術の学習にとどまっており、将来的に地域の農業を担う人材の育成には不十分な内容となっています。
そこでインドネシアから技能実習生を受け入れている株式会社農園たや(福井県)は、「JICA草の根技術協力事業」を活用して実習生の送り出し・受入れ環境の改善や実習生の帰国後のキャリア形成支援に取り組んでいます(「技能実習生の帰国後就農・起業支援を通じた人材還流促進プロジェクト」)。
インドネシア農業訓練センターによる技能実習生への研修・フォローアッププログラムや指導能力が強化されることで、技能実習生が実習で得た経験や資金を活かして就農・起業し、地域農業・経済の発展を担う人材に成長することに寄与します。

草の根技術協力事業での外国人材受入・活躍支援枠について

2023年度募集より、「外国人材受入・活用支援枠」が設置されました。
開発途上国の住民の生活改善、生計向上の一環として、当該国からの労働者の適正な受入れやこれら労働者の当該国・日本国内の活躍の促進に向けた1)政策・制度の整備・運用、2)人材育成、3)組織的・人的ネットワーク構築・強化を重視する提案については、「外国人材受入・活躍支援枠」として、通常案件とは異なる視点で審査します。
詳細は草の根技術支援事業の募集要項にてご確認ください。

中小企業・SDGsビジネス支援事業における外国人材活用事例

海外進出と人材育成を両立 
-東北とインドネシア事業 インドネシア人材還流の取り組み-

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株式会社菅原工業(宮城県気仙沼市)は、2017年、JICA「中小企業海外展開支援事業」(当時:現名称「中小企業・SDGsビジネス支援事業」)「案件化調査」を活用し、再生アスファルトを使用した省エネ・省資源道路舗装技術のインドネシアでの事業展開のための現地調査をし、現地での活動基盤を強化しました。他方、提案技術の更なる普及・拡大のためには現地の舗装管理手法や法規制の整備が必要と分析した同社は、2023年からJICA中小企業・SDGsビジネス支援事業「普及・実証・ビジネス化事業」を活用し、インドネシアの実情に沿った循環型舗装技術や仕組みの導入提案、経済性の検証等を行う計画を進めています。

別途並行し、インドネシアから技能実習生を受け入れ、実習終了後も同社の現地法人で職長として採用される可能性、将来的に再び日本本社で働くことも視野に入れた、日本とインドネシアの人材還流による企業活動を実現する取り組みをしています。

千葉県と大洋州の懸け橋となる
-トンガ王国で空港関連の人材育成を支援-

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トンガの若年層に対して「特定技能」在留資格取得を目指した日本語教育と空港グランドハンドリング、宿泊、外食等の分野の技能教育からなる職業訓練に係わる教育スキーム構築に向けて取り組んでいます。
日本での就労を経験した人材が帰国後、空港、観光業界等において活躍し、産業・経済活動トンガの産業・経済の発展に寄与することが期待されます。また、トンガへは長年日本語教育の協力隊員を継続して派遣しており、今後は協力隊との連携も期待されています。

関連する情報:国・分野別の調査報告書等