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『For the World’s Profit: How Business Can Support Sustainable Development』

  • #書籍および報告書

For the World’s Profit: How Business Can Support Sustainable Development

今日に至るまで、民間企業は社会を発展させる推進力となってきましたが、一方で、市場原理に基づく企業行動は、社会課題や環境負荷の深刻化にもつながりました。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)やパリ協定に向けた進捗が芳しくない今、持続可能な開発に向けて、ビジネス関係者、金融関係者、政府関係者がどのように連携していくべきかが問われています。

民間ビジネスによる利益の追求は、どうすれば「世界の利益」と整合し得るのでしょうか。

本書籍では、全体概要を紹介する第1章に続き、企業、投資家、政府、学術界、非営利団体などさまざまなバックグラウンドの著者14人が、多様な視点から以下のような論点について考察しています。

●企業のビジネス上のリスク低減と、人々や地球にとっての脅威への対応を両立させるために、企業は、政府や金融機関、市民社会とどのように協力できるのか。
●社会や環境に関わる課題解決に向け、企業が有するリソースや革新力、ネットワークはどのように価値を創造できるのか。
●国際枠組みの設定や政府による監督を適切に行うとともに、企業にとってのインセンティブを作り出すためには、どのようなアカウンタビリティーの仕組みが必要なのか。

第1部では、企業経営者や取締役会、起業家やビジネス団体といった企業関係者が、どのようにしてインパクトを実現すべきかを議論しています。具体的には、リーダーシップの役割、大企業と中小企業の関係、新たなコーポレートガバナンスのモデル、コレクティブアクションによる市場形成のためのパートナーシップといったテーマを取り上げています。

第2部では、社会のウェルビーイングに貢献する企業向けに資金を動員し、SDGs達成に向けた民間投資を増やすために、銀行、保険会社、投資家といった金融関係者が担うべき役割について論じています。

第3部では、企業や投資家が公開するサステナビリティー情報の信頼性を向上させ、ビジネスによるSDGsへの貢献を促進する規制や法律、国際基準、インセンティブを形成するために、ポリシーメーカーや規制監督者がどのような役割を果たすべきかを議論しています。

本書では、JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)の牧野耕司 客員研究員(京都大学特定教授)が編者の一人を務め、松本勝男上級審議役が第11章「The Institutionalization of Corporate Contribution to the SDGs in India」を執筆したほか、佐藤一朗 上席研究員および遠藤慶 研究員が第13章「How the Japanese Business Community Has Embraced Sustainability」を執筆しました。

本書は、書籍『Breakthrough: The Promise of Frontier Technologies for Sustainable Development 』に続くブルッキングス研究所とJICA緒方研究所の共同研究の成果です。

Brookings Institution Pressより出版され、以下のリンクから無料でダウンロードできます。

編者
ホミ・カラス、 ジョン・W・マッカーサー、 ジェーン・ネルソン
発行年月
2025年1月
出版社
Brookings Institution Press
言語
英語
開発課題
  • #民間セクター開発
研究領域
連携案件
ISBN
Hardcover: 9780815741015、Paperback: 9780815741022、ePub: 9780815741046
研究プロジェクト