九州エコ通信 2011年4月号

北九州の技術を青年海外協力隊の力に!
—アジア、アフリカ、中南米の舞台へ旅立つ前に、北九州で「環境」を考える

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岩野園長が到津の森公園を案内・環境への取組を語る

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垣迫小倉北区長による講演

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環境ミュージアムの諸藤館長によるワークショップ

JICA九州は3月22日から3月25日の4日間、青年海外協力隊候補者に対し北九州市で派遣前研修を行いました。「世界の環境首都」を標榜しアジアを中心に世界各国で環境事業を実施する北九州市と、開発途上国の最前線で活動を行う青年海外協力隊事業が連携する形で実現した本研修は、2011年度に派遣が予定されている環境分野の候補者7名に対する生ゴミのたい肥化(コンポスト)技術や環境教育手法に関する研修を通して、派遣先での活動を促進することを目的として実施されました。

北九州市には、インドネシア・スラバヤ市の廃棄物減量に大きく貢献した高倉式コンポスト技術、林間学校やサポーター制度等の先進的な取り組みにより1932年の開園以来市民と自然との接点であり続ける到津の森公園、ボランティア制度により環境教育と住民参加を両立させる環境ミュージアムなど、多くの環境保全のための技術・ノウハウが蓄積されています。これらの知識は、言葉・文化・風習の異なる環境で技術移転活動を行う青年海外協力隊にとって、大きな武器となります。

本研修は昨年9月に実施した研修に引き続き2回目の実施となりました。初回の研修生はすでに世界へ飛び立ち、北九州発・環境伝道者として世界各国で活躍しています(※「環境レンジャー不定期連載ルポ 赤レンジャーからの報告」の中でコスタリカから届いた環境活動レポートを紹介しています)。

北九州市の環境改善を支えてきた技術・ノウハウが、青年海外協力隊を通じ、開発途上国の環境改善に貢献するとともに、今後協力隊が現地での活動を通じて築き上げるネットワークが、将来さまざまな形で北九州へ還元されることを期待しています!

≪研修プログラム≫
日付時間内容場所
3月22日9:40北九州市の環境行政の歴史と今JICA九州
11:00隊員OBの帰国後の活動 JICA九州
13:30到津の森公園における環境教育の取組み
市民サポーター制度、展示方法
到津の森公園
3月23日9:00環境ミュージアムにおける環境教育の取組み
市民ボランティア制度
環境ミュージアム
11:30垣迫裕俊小倉北区長による講演 環境ミュージアム
14:00山田緑地 園内見学 山田緑地
17:00NPO里山を考える会活動紹介東田エコクラブ
3月24日9:00高倉式コンポスト研修(1日)ジェイペック若松環境研究所
3月25日9:00
高倉式コンポスト研修(続き)ジェイペック若松環境研究所
13:30コンポスト普及のためのコミュニティ強化

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高倉式コンポストを伝授。自作の発酵床を手で握り、水分量の感覚を掴もうとしている研修生たち